基調講演
「住んでよし、訪れてよし」に加えるべき、もう一つの視点「稼いでよし」
「住んでよし、訪れてよし」に加えるべき、もう一つの視点「稼いでよし」
基調講演には、観光マーケティングや地域ブランドを専門とし、観光まちづくりの第一人者である近畿大学経営学部教授・高橋一夫氏が登壇。「“新潮流”から考える万博後の大阪 ~観光・まちづくりによる地域活性化~」と題し、これからの観光地経営に求められる視座を、学術的知見と豊富なフィールドワークに基づき提示しました。


「量の観光」から「質の観光」へ転換する「稼ぐ力」と「地域内循環」
高橋氏はまず、日本の観光政策の変遷を紐解きます。かつて小泉内閣の時代に掲げられた「住んでよし、訪れてよし」というスローガン。これは観光立国の基本理念として定着しましたが、同氏は「これからは、ここに『稼いでよし』を加えなければなりません」と提言しました。「単に観光客数を増やす『量の観光』は、オーバーツーリズムを招くだけです。重要なのは、地域にお金が落ち、雇用と所得が生まれ、住民生活が潤う『質の観光』への転換」。ここで高橋氏が特に強調したのは、客単価の向上だけでなく、「域内調達率」を高めることの重要性です。観光客が支払った対価が、地元の食材、資材、人材に使われているか。お金が地域外へ流出するのではなく、地域内で循環する経済構造を作ることこそが、持続可能な観光まちづくりの本質であると説きました。


「日常」こそが最強のコンテンツとなる観光資源の再定義
次に語られたのは、「観光資源」の捉え方の変化です。かつて観光資源といえば、寺社仏閣や絶景といった「古典的観光資源」が主流でした。しかし、現代の旅行者、特にインバウンド層が求めているものは変化しています。「今、注目されているのは『その時代の価値を基盤とした観光資源』です。その国の日常文化、食、ライフスタイルそのものが資源になります」。高橋氏は、東大阪の布施商店街にある「SEKAI HOTEL」の事例などを挙げ、地域全体を一つのホテルに見立てる分散型ホテルの可能性に言及。「民泊に泊まり、近所の商店街で朝食を食べ、銭湯に行く。私たちにとっては当たり前の『日常』が、世界の人々にとってはかけがえのない『異文化体験』という観光資源になるのです」。特別なハコモノを作らなくても、商店街の営みそのものが価値になる。この視点は、参加者に大きな示唆を与えました。


Du musst eingeloggt sein, um etwas einzureichen.
お問い合わせ
Airbnb Japanの公共政策チームへのお問い合わせは、下記までご連絡ください。Airbnb Japan 株式会社 公共政策本部pjapan@airbnb.com
お問い合わせ
Airbnb Japanの公共政策チームへのお問い合わせは、下記までご連絡ください。Airbnb Japan 株式会社 公共政策本部pjapan@airbnb.com












